【ありえる楽考週報 vol.47】
今週の「ありえる楽考」週報は、
田中さんを探せプロジェクトと『パラダイムの魔力』読書会の案内です。
田中さんを探せプロジェクト
ついクリックしてしまったマンガの広告で『セクシー田中さん』という漫画に出会いました。
これが実にありえる楽考ぽい。
税理士の資格を持ち経理部のAIとして迅速正確無比な仕事をする田中さんと自分なりに努力をしているものの派遣でしか就職できなかった朱里。田中さんは子どもの頃からキモいと言われ周囲と馴染めず、自分に閉じたまま勉強に打ち込みどんどん猫背になりやがて税理士になった。友だちも彼氏もいないまま40歳。35歳の時に鏡を見たら老婆がいて、これではいけないと背中を伸ばそうと一念発起。運動し、食事の改善をしている時にトレーナーからベリーダンスを薦められこれにハマる。この田中さんを偶然見つけた朱里が、田中さんの推しになり、お互いに相手に自分にないものを見て憧れて、ともに一歩ずつ踏み出して変わってゆく物語です。
このどこがありえる楽考ぽいかというと
自分の魅力価値をまったく認めていない田中さんとそれをもったいない、何とかしたいと思っている朱里の関係が、メンバーとファシリの関係と同じだなと。
ファシリはコーチングスキルがあるからとかではなく、純粋に「この人すごーい、素敵!」「なのにどーして、その魅力に気づいてないの!もったいない、なぜ、どーして!!」と何とかしたいとおせっかいを焼いているうちに自分も変わってゆくという存在なのです。自分ひとりでは「あなたには価値がある!」というメッセージを受け取ってもらえないので、他に3人の人を誘って「集合天才(グループ・ジーニアス)」で、何とかするというのがグループコーチングです。

かつてETICで若者のメンターをしていた藤沢烈くんと鎌倉でやっていたソーシャルシェアハウスに合宿に来ていたワーク・ライフ・バランスの小室さんやかものはしの村田さん、フローレンスの駒崎さんたちが、経験も知識もお金もないものの「この人たちをなんとかしたい」という思いだけで動いていました。その後、仲間が集まり、支援されていた側の人が今度は支援する側にもなってゆくことで活動が広がってゆくのを見ていました。
ありえる楽考というとグループコーチングの方がわかりやすいのですが、より重要なのは助けわかちあうコミュニティの方です。自分だけで何とかする必要はないのです。
ありえる楽考の参加者は、誰かが「もったいない!ほっておけない」と思った人です。ファシリになるのは、誰かを「もったいない!ほっておけない」と思った時です。

価値とは何か
できるからやるのではなく、必要だからやるのです。
ただ、やみくもに頑張っても、空回りするだけなので、「適切な努力」の仕方が必要になります。
そこで出てくるのがありえるシートです。

誰の何にと的を定めるのが、同心円の目的の部分です。
価値とは的の人にとっての望ましい変化のことです。
青からオレンジへの変化が的の人にはどう感じられるのかを想像するわけです。
なぜ、青の状態に留まっているのか。
田中さんのオレンジの状態はどんな状態でしょうか?
オバサンが人前で腹を出して男に媚をうるような踊りをして恥ずかしくないのかと自分の偏見で田中さんを裁くオジサン(笙野)に朱里は怒ります。田中さんはそんな風に見られるのは慣れているといいます。だから会社の人には知られないようにしている。
田中さんはなぜベリーダンスをと笙野に問われ
正解がないので迷うんです。 自分が「こう在りたい」正解を自分で選び取るしかない 自分の頭で考えて、選んだ結果って 誰に何を言われても揺るがないじゃないですか 私は自分の頭で考えて 自分の足を地にしっかりつけて生きたかった 多分、だからベリーダンスだったんです。 他者の偏見をはねのけて強く在りたいか 全て内包して柔らかく共存したいのか まだ模索している最中です。 未熟なので
と答える。
これは田中さんの問いであると同時に
朱里の問いでもありそうです。
他人にどう思われるかを気にして生きるのか
その期待や偏見と闘うのか
他人の視線を理解しつつ内包して超えてゆくのか
これは発達の課題でもあるのですね。
ヒラリー・クリントンの大統領選挙の敗北スピーチが流れるシーンがあります。
女性にはガラスの天井がある
これを聞いている女性の皆さんに
そのガラスを突き抜けていって欲しい
とバトンを託す
世間の常識という壁を超えることが
二人に、さらには読者に共通する目標です。
田中さんを探しませんか?
あ、というわけで、対話会をやります。

毎週日曜夜10時半放送とのことなので
放送直後は時間的に難しそうですね。
第1回は6日の新楽友歓迎&誕生会の後にやります!
ありえる楽考のイベント
『パラダイムの魔力』読書会

11月7日(火)21時から開催します。
パラダイムって何?
パラダイムというのは、この境界・範囲(組織や世間)の中では、こうするとうまくいくというルールやパターンです。言い換えれば常識・習慣のようなものです。
だから、私たちは異国に行ったり、違う土地、人、組織に行く時に、ここではどのように振る舞うと良いのか気になるわけです。
「ここ」では、と「振る舞い」がパラダイムの構成要素になります。
ただ、空気のようなものなので、普段存在していることを意識していない。なくなった時に気づくもので、「はぁ、普通こうするよね?」という形で意識されるものです。だから、異質なものに出会って、私のパラダイムに気づき、ゆらぎを与えたいのです。私が信じていることは、果たして本当なのだろうか?と
11月18日(土)ココファーム収穫祭
ココファームの話は折に触れてちょくちょくしていますが、年に一度の収穫祭から出会ってもらうのがいいのではないかということで、コロナがあけたので伺いたいと思います。
聞いたことないという方に少しだけ紹介しておくとココファームはこころみ学園という養護学校の卒業生が自立してゆくための障害者支援施設です。養護学校の先生をしていた川田さんが卒業生が就職してもながく続かないことを憂いてなんとかしたいと思って私財をなげうって山を買って卒業生や親御さんたちとぶどうの栽培をしたのが始まります。障害者支援施設がつくったものというと安くしか買ってもらえない、しかも同情してというイメージがあるかもしれませんが、ここのワイン、特にスパークリングはサミットの晩餐会に供される、つまり、日本が世界に向かって自信を持って出せる日本最高のものだということです。それができるのは、ルミアージュというスパークリングの最も重要だけれども、恐ろしく忍耐が必要なプロセスを彼らの決まったことを手順通りにやるという特性を活かせばできるというところなのです。
だから、思うのです。
資質があるのであって、強みがあるわけではない。
それを弱みになるか強みになるかはデザイン次第だと。
才能は適切な努力によって開花するのです。
理屈ではなく、体感していただければと思います。
11月19日(日)ツキノイチテラス(月イチライブ)at楽々テラス

今週の週報は以上です!