WHOLE BRAIN(ホール・ブレイン) 心が軽くなる「脳」の動かし方

もう人間関係、世代間ギャップ、依存症で悩まない! 脳科学者が脳卒中に学んだこと。

左脳の脳出血により
右脳の機能しかなくなったとき、脳科学者のジル・ボルト・テイラー博士は、それまでの認知機能、身体機能を失ったにもかかわらず、この上もない幸福感に包まれた。8年間のリハビリの末、すべての機能を取り戻した博士が、脳卒中の実体験と神経解剖学の科学的見地から得た新しい知見を惜しげもなく開示する。
左脳は思考、右脳は感情という
ステレオタイプから脱却し、脳の仕組みを知れば、考え方・感じ方の嫌なクセは変えられる。脳は、ふたつの感情、ふたつの思考、合計「4つのキャラ」のシェアハウスだ。たとえば、心と頭が別々のことを言っているときは、脳の異なるキャラ同士が争っている。キャラたちが、ひとつのチームとして協力し合えば、心穏やかな人生が手に入る。
脳は、今でも進化の途上にある。
私たちは、何かことが起こったときに、感じ、考える回路を何度も使ううち、その回路だけが発達してしまい、ほかの回路を作動させることができなくなっている。けれど、それを知って、別の回路をはたらかせることができるようになれば、いつもの自分の考え方や感じ方のパターンとなっている嫌なクセを変えられるのだ。
脳科学の分野の「4つのキャラ」と、
ユング心理学の「4つの元型」は符合すると、著者は言う。本書は、脳科学と心理学を融合させ、自分自身の力で、自分の「脳」を動かし、なりたい自分になる方法を教えてくれる。
 
Whole Brainを知るきっかけになったYoutubeの動画。ただ、肝心な4つのキャラのことはあまり紹介していない 
十牛図の話はYoutubeの作者の意見
4つのキャラの紹介
 
TEDのスピーチ2023/9/8 7:212023/12/13 5:30
このときは4つの人格という話はしていない
目次
まえがき 心の安らぎはすぐそこにある

第一部 脳のなかをちょっと覗いてみる

第1章 私の物語、私たちの脳

第2章 脳の構造と人格

第3章 脳を支えるチーム―四つのキャラクター

左脳の考えるキャラ1右脳の考えるキャラ4左脳の感じるキャラ2右脳の感じるキャラ3
直列プロセッサ並列プロセッサ
言葉による 言葉で考える 順序立てて考える 過去/未来にもとづく 分析的 細部に注目 違いを探す 手厳しい 時間を守る 個別に 簡潔/正確 固定した 「私」を重視 手がふさがっている 意識的 構造物/整列言葉によらない 絵で考える 経験にもとづいて考える 過去の瞬間にもとづく 運動感覚的/身体的 総合的に対局を見る 類似点を探す おもいやりがある 時間の流れに没入する 集団で 柔軟性/弾力性 さまざまな可能性に柔軟 「私たち」を重視 手が空いている 無意識 流動的/流れ抑圧された 融通がきかない 用心深い 恐怖心にもとづく 厳格 条件付き愛す 猜疑 いじめる 正義を求める あやつる 定石 個別で 利己的 批判的 優れた/劣った 正しい/まちがっているおおらか オープン 危険を厭わない 怖いもの知らず フレンドリー 無条件で愛す 信頼 支える 感謝する 流れに任せる 創造的/革新的 集団で 分かち合う 優しい 平等 文脈によりけり
四つのキャラクターはどのように考え、感じているか
あなたの脳チームと選び取る能力
ふたつの脳半球はまったく異なる価値観をもっているため、心と頭が別々のことを言っているときは、たんに脳の違う部分同士が争っている
「英雄の旅」とユング心理学
4つのキャラがユングの主な4つの元型と符合している
世界中の神話や夢や芸術などに普遍的に見られるパターン。個人的な無意識ではなく、人類に共通する「集合的無意識」から発生するとされる。
キャラ1 ペルソナ
社会のなかで他人に見せている仮面のような自己イメージ
キャラ2 シャドウ
他人に見せたくない否定的・消極的な自己イメージ
キャラ3 アニムス/アニマ
アニマ:男性の中の女性的要素、アニムス:女性の中の男性的要素。
キャラ4 真の自己
元型は心の深層にあるが、一番奥の心の中心に真の自己があるとされる。セルフは、意識と無意識を統一する全体の中心で、自分自身の存在に意味を与える
「英雄の旅」の古典的物語では、主人公は、体の外の現実を処理する理性的な自我(エゴ)を置いていくように、という要求を聞き入れます。「4つのキャラ」の言葉でいうならば、主人公は右脳の無意識の領域へ入るために、左脳の<考えるキャラ1>の自我にもとづく意識から、外に足を踏み出さなければならない。

第二部 あなたの四つのキャラ

「4つのキャラ」とは
 
〈キャラ1〉(左脳の大脳皮質)順序だてて考える几帳面
〈キャラ2〉(左脳の辺縁系)用心深く、不安や恐怖を感じやすい
〈キャラ3〉(右脳の辺縁系)好奇心や遊び心が旺盛で、いまの楽しさを優先する
〈キャラ4〉(右脳の大脳皮質)、ありのままの自分に幸福感を感じる
これは、ユングの「4つの元型」という枠組みを神経解剖学的に解釈したものです。2階に2部屋、1階に2部屋、合計で4部屋ある家のように、私たちの脳は「4つのキャラ」全員の住まいです。
博士は、「4つのキャラ」が私たちの安定した精神状態を保っていると語ります。逆にいえば、心と頭が別々のことをいっているときは、脳の違う部分同士が争っているのだと。「4つのキャラ」がお互いに理解しあって、健全な関係を築くこと。そうすれば、天賦の才で装備した「脳チーム」は集団としての機能を発揮します。日常生活では心のなかの葛藤が多くありますが、どのキャラがどのような動機によって対話をしているかを知ることで、自分がどのような人間でありたいかを意識的に選ぶことができるのです。
「脳の作戦会議」をしよう
「4つのキャラ」について熟知し、安心してそれぞれのキャラを見せられるようになれば、もっと脳全体(ホール・ブレイン)を活かした人生が送れるようになる、とテイラー博士はいいます。自分の「4つのキャラ」と他人の「4つのキャラ」とのあいだに健全な関係を築くことがゴール。ポジティブで生きる力を与えてくれる人間関係のため、このゴールはとても大切です。私たちにはどのキャラになりたいかを一瞬ごとに選び、理解する力があります。「4つのキャラ」に「脳の作戦会議」を開かせることが、次にとるべき最善の行動へのカギとなるのです。
 
博士による「脳の作戦会議」の意義とは、
自分の周囲の世界に向けてどのキャラをどう見せるのか、そして周囲の世界が自分の考えや感じ方や行動に影響を与えることをどこまで許すのか。「脳の作戦会議」は、それを自分で判断してコントロールするための力だといいます。
よい判断をくだすには、どんな選択肢があるのかを知る必要があります。「4つのキャラ」という素材を徹底的に理解する前の私は、白黒はっきりした選択肢以外の選び方がよくわかりませんでした。自分の決断には、たいてい満足していましたが、ときどき決断したあとで、その前にひと呼吸おいて「脳の作戦会議」を実践していたら、もっと賢明な選択ができたのになぁと思うのです。「脳の作戦会議」は不安を和らげ、私のすべての人格の声が合わさった、いちばん自分らしい声を生み出してくれます。
「脳の作戦会議」を開くためには
一時停止ボタンを押す必要があります。これは「90秒ルール」を実行するのと本質的に同じで、90秒間、一時停止することで血液中に化学物質があふれ出し、それから完全に中和されます。ふたたび頭がクリアになって、それまで感じていた感情がなくなると、「4つのキャラ」全員に会話をさせて、より良い決断ができるようになる、とテイラー博士はいいます。
さらに博士による作戦会議では、「4つのキャラ」全員が自分の意見を表明することができます。決断が「4つのキャラ」の支持と合意によって裏づけられれば、最良の選択をしたと確信できるでしょう。真に自分らしい人生は「脳の作戦会議」によって支えられているのです。
同じように重要なのは、周囲の人々の「4つのキャラ」がどのようにふるまおうとしているのかを「読める」ことだといいます。あなたのキャラを知ることで、どうすればあなたと最も効果的に接してサポートできるかを考えるヒントが得られるのだと。相手の視点がわかると、明瞭なコミュニケーションがとれるようになります。相手の「4つのキャラ」とその欲求を識別することは、平和で調和のとれたコミュニケーションを実現するための道しるべとなるのです。
多くの人が、自分自身のいちばん御しにくくて魅力的でない部分や傷つきやすい部分を「取り除く」ことや「直す」ことを目標にしてきました。でも、自分のすべてのキャラを受け入れ、それに耳を傾け、育むことで、私たちは円熟し、成長し、自宅の犬や猫が知っているような「あなた自身」に生まれ変われるでしょう。
4つのキャラ」と向きあって作戦会議を開き、最終的に真の自己に立ちかえる――それぞれのキャラを同等に評価し、フル活動させることで、自分のなかのネガティブな思考・感情のクセがなくなり、幸福感とエネルギーが満ちあふれてきます。
テイラー博士が提案するように、脳と自分の関係を見つめなおすことは満ち足りた人生を送るためにより良い選択をする助けとなるでしょう。

第4章 キャラ1 考える左脳 ヘレン

森と木
左脳の<考えるキャラ1>の言語中枢が沈黙したとき、私は他人とだけでなく、自分自身とのコミュニケーション能力も失いました。
誰かに話しかけられても、しゃべることもできないうえに、意味をもった文字や数字を見分けることすらできませんでした。
左脳の自我をつくる細胞が「私は存在している!」と告げるからこそ「私」は存在している。
💡
自分という人間が、左脳にある小さな細胞たちによってすべて作られていると考えると、少し戸惑いを覚えますが、それほど私たちのアイデンティティは脆い
 
失った左脳の<考えるキャラ1>を取り戻すということ
左脳の<感じるキャラ2>を失うことで何より素晴らしかったのは、怒りや恐怖が完全になくなったこと。左脳の過去の記憶が、右脳の今現在の経験に影を落とさなくなったことで、私はこの上なく幸せな状態に切り替わった。
左脳の<考えるキャラ1>(=ジルはヘレンと名づけた)は、私の頭の中を支配してボスに返り咲こうとした。
ヘレンは脳出血前の私の人生において充分な実績があり、才気煥発な存在であり、ヘレンのリーダーシップのもとで私は輝かしい成功をおさめてきた。でも、彼女が重視するお金や名声といった外的要因によって突き動かされるのはごめんでした。
左脳の意識形成
ふたつのアイテムの違いを吟味し、別々のものとして区別できる。一旦そう識別すると左脳は詳細に整理して分類する。
左脳はより高いレベルで識別し、個体としての私たちの始まりと終わりの「境界」を決める。
全体から分離したことで、外の世界、さらには外の世界と私たちとの関係が全面に現れます。

第5章 キャラ2 感じる左脳

第6章 キャラ3 感じる右脳

第7章 キャラ4 考える右脳

第8章 脳の作戦会議―安らぎのための強力なツール

BRAIN会議
Breath 呼吸に集中する(90秒ルール 脳内物質は90秒で消える、ただし、何度も刺激すると出続ける)
Recognize  4つのキャラのうち誰が出ているか
Appreciate いま現れている
Inquire 自分の内側に問いかけ「四つのキャラ」全員を作戦会議に招き入れる。
Navigate 「四つのキャラ」たちが、ワン・チームとして新たな現実の海で舵をとります。

第三部 人間関係における四つのキャラ

第9章 自分自身とのつながり―四つのキャラと体

第10章 ほかの人たちとのつながりー―恋愛関係における四つのキャラ

第11章 分離と再連結社会との断絶と結び直しー―依存症に立ち向かう四つのキャラ

この章ではAAの話などに触れている。習慣をいかに見直すのかのヒントになると思う。

第12章 この百年をふり返るー―四つのキャラと世代とテクノロジー

「GI世代」:大義のために団結した<キャラ1>たち
「沈黙の世代」:見ざる言わざる聞かざる
第二次世界大戦前の数年間は多くの家族が家や財産を失い食べ物を手に入れるのさえ困難な暗い時代
「GI世代」と「沈黙の世代」の働き方
「ベビーブーマー世代」アメリカン・ドリーム
「X世代」鍵っ子
「ミレニアル世代」:みんなはひとりのために、ひとりはみんなのために
心に芸術をもち、右脳的な魅力的なクリエイティブ集団
職場であっても、誰もが活躍できる環境をつくることで、愛情と責任感を同時に持つことができることを理解している
2001 911同時多発テロ →世界は危険な場所 2008 株式市場の大暴落 →多くの家族が家も経済的な安定も失ったとき、この感覚はさらに強まった
ソーシャルメディアで育ち、参加することが報酬となってつながることで、自分の価値を外部の評価に委ねるように訓練されてきた
「Z世代」:生まれながらの技術者
独立心の強いX世代の子どもたちであるZ世代の若者は、いくつかの理由により、親よりもさらに全脳的で独立心が強くなった。
1 X世代に育てられ、非常に機能的な<キャラ1>をもっている
2 Z世代は右脳的な学習法を使って教育されたため、全脳的な思考力が高い
3 全脳的思考を右脳優位のミレニアル世代に融合させている
こうやって、若者たちがテクノロジーによって自動化され、神経をコントロールされるようになると、世代間のギャップが大きくなる
私たちの到達点
生物のシステムは、負のフィードバックループの集合体として機能している。
フィードバック
結果が原因にさかのぼって調節する仕組みをフィードバックと呼ぶ。出力が入力を調節するということ。フィードバックには正と負がある。出力が増えると入力を減らすのが負のフィードバックループ←均衡点に戻る:正のフィードバック=出力が増えると入力がさらに増える←壊れるまで止まらない
テクノロジーは、一時も停止することのない正のフィードバック・システム
認知的にも感情的にも、テクノロジーは私たちの生物学的システムを疲弊させ、中毒に陥りやすい状態にする。
負のフィードバック・ループで動く生体システムを回復させるには、定期的に一時停止ボタンを押して、脳が追いつき、再調整し、強制シャットダウンするチャンスを与えなければなりません。これが睡眠が必要である理由のひとつです。
一日のうちのどこかで、「四つのキャラ」たちが出たり入ったりする「脳の作戦会議」を開くのがよいでしょう。

第13章 完璧で、ありのままで、美しい

次に何をすればいい?
自分の頭の中で何が起こっているのかを、定期的に調べてみれば、あなたの人生、人間関係、そして世界までもが変わってくるでしょう。
「四つのキャラ」の間を自由に行き来するための戦略をマスターすれば、自らの力を使いこなせるようになります。
現在の自分の思考、喜怒哀楽、行動のパターンを観察する
「四つのキャラ」のうち、どのキャラが強くて自動運転中で、どのキャラをもっと強くしたいと思うか、自分の現在のパターンに注意を払うこと。
1朝起きたとき、そして、夜寝る前
 
2感情の変化に気づく
3「4つのキャラ」の典型的な瞬間に気づく
<キャラ1>は整理整頓が得意なので、持ち物を忘れないようにし、秩序を保ち、キッチンを片づけてくれる。
私がどこかきもそぞろだったり、重い感情にとらわれたりするとき、たいていの場合、幼い<キャラ2>がいて、傷ついたりイライラしたりしています。
4一日のなかでランダムに「4つのキャラ」になってみる
5毎日の作戦会議のスケジュール
6あなたのパターンに注目して
7キャラの記録を残す
8他人の<キャラ2>に会うための戦略的プランを立てる
 
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