率直に感じたことから伝える

 
楽友の三原則のうち、最も頻繁に聞くことになるのは、おそらく、感じたことから話してくださいです。
感じたことから話してくださいには、多くの意味が込められています。
 
ありえる楽考は、ピクサーの「ブレイントラスト」をTTPしました。
ピクサーがこだわっているのは、作品をより良くするためのフィードバックをする場面において、阻害要因になるものが、人からよく思われるために、良いコメントをしようとか、嫌われないために当たり障りないコメントをしようとしてしまうことで、それを防ぐために、率直さに注目したとあります。
 
感じたことから話すということを象徴的に表しているのが、「嬉しい」「すごい」のコメントです。こう伝えると場が話しやすくなるということで、ぜひ、奨励したいのですが、このコメントの違いは英語にするとよりわかりやすいのですが、主語です。
嬉しいは I feel happy. I feel good.
私が感じたことで
 
すごいは You are great.  あるいは、 It’s sound great で対象についての私の評価や思考なんですね。
 
ありえる楽考で、感じたことから話してもらっているのは、iメッセージから伝えた方が受け取りやすいということなのです。私が感じたことなので、それにはいいも悪いもなく、そう感じたのですねということです。嬉しいことなら、尚更受け取りやすいですよね。その後のyouメッセージは私の解釈や意見です。
感じたのは、どの事実に注目したからなのかの手がかりになります。同じ話を聞いても注目する事実が違います。また、その事実に対する解釈や意見も違います。この違いを対比することで、自己理解と他者理解や状況理解につなげるのです。
振り返りはケースメソッド(事例研究)でもあると考えていて、その人の整理について、感じたことから伝えることで、
 
どこに注目し、
それを何だと認識し、
それを言語化するのにどのような表現の選択肢を思い浮かべ、
どの選択肢をなぜ選択したのか、
これらを認知のプロセスといいますが、
自分の思考を因数分解し、観察の対象化することで自分を俯瞰します。
 
認知プロセスを観察の対象化し、それを他者と対比することで、自分の特徴に気づくということを意図しています。
 
ありえる楽考のマネジメントの定義は安冨さんの説を採用していて、マーケティングとイノベーションに因数分解しています。
マーケティングとは自己理解と他者理解、イノベーションを学びて革めることであると定義しています。
 
この自己理解と他者理解に繋がる入り口が感じたことなのです。