第98回TTPS勉強会 生命論パラダイムの実践

いよいよ98回TTPS勉強会も週明けになりました。
 
==第98回TTPS勉強会====================
日時:7月26日(火)19時~21時 
放課後
参加費:場への与贈制
ZOOMのリンク
https://us02web.zoom.us/j/766276789?pwd=MGZJbTZ5Z0gwMTU1Q2hBZEE4VEtmUT096
ミーティングID:766-276-789
パスワード:ttps39
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事前課題(プレ)==================
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あなたがなんとかしたいと思う目の前の現実は何ですか?
スクールタクトに記入ください
田坂先生の動画を観ていただくとこの問いの意味や TTPS勉強会の内容がなんとなくわかると思います。
 
 
当初、イベントページには、
原点に戻って複雑系についてやります
エッセンシャルマネジメントスクールの西條さんをゲストにお迎えして複雑系談義をするということだけが決まっています。
でも終わった時にどうなっているといいのか
どう進行するのか何も決まっていません。
 
と書いていましたが、テーマが決まってきました。
 

オーナーシップと自己増殖です。

 
これまで、ファシリレベルまでだと企業に導入されても、先細りな感じがしていました。
せっかく導入されても、結果が出る前に、何か別の方法が導入されて立ち消えになってゆくのです。
コミュニティオーナーとして、オーナーシップを発揮する人たちが現れて、あれ、これは、何かいままでと違うぞ、これなら自己増殖して広がってゆくぞというイメージが湧いたのです。
 
なので、皆さんには私が目にしたこのオーナーシップと名づけた現象を知っていただき、何を感じられるのか聞いてみたいと思っています。
 
 
きっかけは、
1月から始めた、コミュニティオーナーに自分以外の人にファシリをしてもらうために、コンセプト、モデル、ストーリーを考えてもらったことです。
 
 
最初のうちは、オーナーは私だけで、あとの皆さんは参加者とファシリだったのですが、そこに私以外のオーナーが現れたことで、自己増殖してゆく生命力を感じるのです。
オーナーレベルができることで、他のWhy-What-Howや知恵-知識-情報、目的-戦略-戦術などの三層構造と対比させて考えやすくなりました。 Howを考え実行するメンバーレベル、ビジョンを考えメンバーを支援するファシリレベル、Whyを考え仕組みを考えファシリを支援するオーナーレベルへというようにです。
オーナーの視点でファシリの人を見ていると相手を良くしよう、変化をつくろうと気負い過ぎていることが見えます。メンバーが子ども、ファシリが親世代、オーナーが祖父母世代だとみるとわかりやすいかもしれません。
親の段階だと子どもを自分の理想のように育てたくなってしまいます。しかし、生命である人間は機械のように思い通りにすることも、欠陥を修理することでなおすこともできないのです。
人は機械のように、褒めればとか、評価すれば、昇格させたり、報酬を増やせばモチベーションがあがるとか、こうすればいいということはない。本人の関心に沿ってなんとかしようとしていることを邪魔しないのが良いのです。
おじいちゃんは、そんな息子・娘が孫にいろいろ躾をしようとして失敗しているのを見ながら、見守っていればすくすくと育つんだけどなー、でも、自分の時もそうだったよなーと見ているのです。 メンバーから原理・原則に繋がる行動や発言が出たときに、そうですねと紐付けると現象とコンセプト・ことばが腹落ちして、再現して使えるようになってゆきます。 それゆえに、コンセプト−原則の生態系-ストーリーが有効なのです。
 
ありえる楽考ではグループコーチングという手法を使って、4人1組で週に1回60分の振り返りを行っています。 自分でも驚いたのは、振り返りのファシリをしていて、気が乗る人と乗らない人がいることでした。 この人の成功が私の喜びだと無条件に思える人がいるのです。
応報的に、相手が良くしてくれるから、私も良くするという交換ではなく、家族のように悪態をつかれようと無視されようと相手の反応に関係なく、ただ、ただ、成功を願える人がいるのです。
そういう人たちと「何をしてもらおうか」ではなく、一緒に価値を創り出してゆくのは、この上もなく楽しいのです。逆に、エネルギーが削がれることがあることもわかってきました。
エネルギーが削がれることを止めて、エネルギーが出ることに使う時間が増えるようになってゆくにつれて楽しく、幸せになってくるのです。
毎週の振り返りを聴くことで、自分が共感してしまうテーマが見えてきて、徐々に自分のエネルギーが出る「誰の何に役立つのか」が固まってきます。
参加者が増えて、多様な価値観の人が助けあうエコシステム(生態系)になっていることで、自分とは合わないなという人も、自分以外の合いそうな人のところへ紹介することで、顧客を選ぶということを後ろめたく感じることなく、自分が共感できる人、心から幸せを喜べる人だけのコミュニティにすることができます。
 
他のコミュニティと連携することで、あれも、これも内部に抱える必要がなくなります。安心してやりたいことに偏れます。コミュニティの中で関心が違う人がいたら、むしろチャンスです。オーナーとして株分けしてゆく機会になります。連携できる紹介先が増えます。
エコシステムの誰かのアンテナにひっかかれば、「だったらこういう人がいるよ」と紹介しあうことができます。利他的な人ばかりであれば、安心して紹介できます。
 
 

なぜ、生命的になってきたのか?

ということを考察すると自分自身の価値基準で判断するようになってくる、つまり、自分自身に戻っているからではないかというのが現在の仮説です。
人は自然の状態では多種多様です。
ところが、社会や会社には評価基準があります。頭がいいほうがいい、お金が稼げる方がいい、社員より社長の方が偉い、小企業より大企業の方がいいなどなど。
社会や他人からの評価を気にして、自分ではない何かになろうとして苦しんでいる人が少なくないのです。自分を偽って、結果を出しても嬉しくないし、自信にもならない。他人と比較して、勝ち負けにこだわって気が休まる時がない。知らずしらずのうちに、子どもや大切な人にもそういう価値観を植えつけてしまっていたかもしれない。
 
自然の原野は多様な植物が共生しています。
それに対して、農業や林業は、お金になるものに偏っています。だから、必要とする栄養分も排出されるものも同じです。だから人為的に足したり、捨てたりしなければいけません。肥料をやり、農薬を散布しなければいけません。
自然は、あるものが必要とするものを他のものが排出したりして全体では、足すことも捨ててることもなく循環してゆく生態系として自己組織化しています。
 
自分はこんなものという自己限定の枠を取り払って、本来の自分、オーナーシップを取り戻し、自己理解と他者理解が進んで、自信と信頼関係で結ばれる多様な人が、ここは私の出番だとたちあがるのなら、それがDiversity and Inclusionなのではないかと思うのです。
オープン、ポジティブフィードバック、非平衡の自己組織化の要件に、オーナーシップが加わることで、オーナーが次のファシリ、オーナーを育むという自己増殖が起きて、システム全体が複雑になり、生命的な性質を生み出しているのではないか?
 
ぜひ、皆さんの目で見て、感じて、何が起きているのか、その可能性について一緒に考えていただけませんか?
 
私がこのように考えるようになったのは、大学院の時の指導教官の田坂先生の影響を多分に受けていることを今回の課題図書の『複雑系の知』を読み返して再確認しました。
 
今回参加いただくにあたって、こちらの問いに答えてみていただけませんか?
💡
あなたがなんとかしたいと思う目の前の現実は何ですか?
スクールタクトに記入ください
 
授業コード AULC(複雑系の知の読書会と同じです)
 
そして、ぜひこちらの動画もご覧になってみてください。
なぜ、「あなたがなんとかしたいと思う目の前の現実は何ですか?」という問いなのか意味がわかると思います。
2015年7月にグロービスで話された内容ですが、この頃にTTPS勉強会は始まりました。
中尾さんと一緒に、軽い気持ちでTTPS勉強会の顧問になってもらおうと訪問して、1時間みっちり絞られたことが100回まで続けられた原動力になっています。
ここで話されていることを実装しようとして歩んで来たのだな、そして、わずかではあるけれど何かを形にできてきたのではないかと思っています。
目の前の現実を変えるために必要な7つの知性2022/7/22 7:132022/7/29 7:17